ねじ式/つげ義春

一部の方々にご好評をいただいておりましたので、久々に大更新!





復活の第12回は、



つげ義春著の傑作『ねじ式』(小学館文庫『ねじ式』より)です。



昭和43年、『ガロ』6月増刊号に発表された作品です。


















では早速…、




『ぼくはたまたまこの海辺に泳ぎに来てメメクラゲに左腕を噛まれてしまったのだ』





『当然静脈は切断された』





『真赤な血がとめどもなく流れ出した』
















メメクラゲ”に噛まれてしまった主人公は、



”不案内な漁村”で医者を探しまわることに…。






早く見つけなければ腕が腐り落ちてしまう!











なかなか見つからずに、隣村へ行く線路を歩いてると…、



















『しかしこの車はもと来た方向へ走っているではないか』





せっかく乗せてもらった”汽車”は、



せっかく歩いてきた元の方向へと戻って行く。





そこで、オレ的にもっとも好きな…、





『目をとじなさい そうすれば後へ走っているような気持ちになるでしょう』



『こういう法則は小学校でちゃんと教えているではありませんか』





『そうだっけ ぼくは淡々としなければいけないのだ……きみは子供のくせに命の恩人だ』








結句、元の漁村に戻ってきてしまった主人公は、














『その証拠にほらポキン』『金太郎』



『なるほどポキン』『金太郎』



『ポキン金太郎』



『ではごきげんよう



『達者でなァ』







目論見どうり、




”ビルの一室で開業して”いる”女医”を探し当てた主人公は…。










というお話。



この作品はこうして書いてもわかりませんよねぇ。



ぜひ実際に読んでみてください。



独特な世界観をもった”投げっぱなしジャーマン”みたいな作品です。