ホットドッグララバイ/弘兼憲史
ちょっと趣向を変えまして、第13回目は、
初期作品のようで、おそらく70年代後半くらいと思われます。
米軍基地がある岩国で育った主人公の少年(作者)は小学校高学年。
康次さんは”ポン引き”で”やくざ”だが、主人公の姉・せつ子を好いている。
『わしはな お前の義兄になるんじゃ』と真剣に語る、
人間的でなかなかいいヤツで、
すいかを届けたり、誕生日には薔薇の花束を届けたりと
一生懸命アプローチするが…、
ところがせつ子は、”英会話クラブ”で通う基地の米兵に夢中。
おまけに”やくざ”がキライで、表面的には康次の好意を受けているが、
裏ではボロかすに言いながら、すいかをモリモリ食べている。
主人公はそれを見て、
『あんな姉ちゃんのどこがいいのか』わからない。
『康次さんには姉ちゃんはもったいない』と思っている。
が、
とある日、せつ子はその米兵に嬲り者にされてしまう…。
どんなに警察に訴えても、『治外法権』でうやむやに。
泣き寝入りするしかなかったが…、
康次は…、
『基地になぐりこむんじゃ』って。
無謀にもダイナマイトを持って突入するが…。
これはストーリーのほんの一部に過ぎません。
この作品の後にヒットする『人間交差点』でもわかるように、
弘兼氏の作品は、幾重にも折り重なった人間ドラマ。
また絵そのものもリアルな人間描写がとても秀逸ですね。
それは実際に読んでもらうしかありませんね。
オレが書けるのはここまで。