赤い霧のローレライ/松本零士

第9回は、異色作、



松本零士著の『赤い霧のローレライ』(朝日ソノラマサンコミックス『近眼人類詩集』から)です。



初版は昭和58年10月ですが、初出は昭和45年『SFマガジン臨時増刊号』掲載とのこと。



レイ・ブラッドベリリイ・ブラケット著『Lorelei of the Red Mist』が原作。










地球人のヒュー・スタークは、



”地球金星合併鉱業”の給料運送艇から”百万クレジット”を奪って逃げた男。



金星に墜落し、死にかけているスタークに話しかける女性が…、












『ヒュー・スタークあなたは…あなたの躰はいま死にかけている…』



『でもあなたそのものは死なない…今から眠りについて別の場所で別の躰の中に目覚めるの…』




その女性はファルガの国の”ラン”。












”ラン”の力によって、



ファルガとは敵対するクロム・デュー(黒い岩)の戦士・コナンの躰にのり移ったスタークは、



以前のひ弱な躰とは違い、鍛え抜かれた強靭な肉体を手に入れる。





”ラン”はスタークを操り、コナンの妻・ビューダックと、戦士ファラオンを殺そうとするが、



意思が強いスタークは”ラン”の思うようには動かない。







気がつくと”赤い霧”の洋上にいて、船上にビューダックを縛りつけ、



手には血がついた剣が…。






自分がなにをしたのか思い出せないスタークは、



”ラン”の国・ファルガに行き、”ラン”と対面する。












”ビューダック”が捕まり連れ去られようとすると、



かつての”コナン”の心が蘇ったのか、”赤い霧”の金星の海に飛び込んでしまう。






そこで”海棲人”に捕まったスタークは…。










リイ・ブラケットは、アメリカのSF作家にして脚本家。



あの映画『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』の脚本も手がけているそうです。



”SFの巨匠”松本零士が、”SF作家”の原作をまんが化するということでも異色ですよね。



”リスペクト”ということなんでしょうかねぇ。