虹色のトロツキー/安彦良和
第3回は、
1990年~1996年まで『月刊コミックトム』にて連載。
日本人とモンゴル人とのハーフ、
赤化学生として検挙され、拷問の末に記憶を失った少年、
ウンボルトには、幼少の頃の不思議な記憶だけがかすかにある。
ウンボルトを”特別研修生”としてねじこみに来るところから物語りははじまります。
失くしてしまった記憶の一端、知らなかった自分の生い立ちを聞かされる。
そんな折、頼りとしていた石原が失脚、満州を追われてしまうことに。
状況は急展開し、ウンボルトは大学を飛び出してしまう。
失った記憶を思い出していく一方で、様々な事件に巻き込まれていくウンボルト。
満州の現状、建国大学の学友たち、いろんな思いが交錯する中、
ハルピンでソ連から亡命してきた要人、ミリューコフに会い、
ウンボルトは”ある事”に気づく。
父親は謀略に巻き込まれて”殺された”、それを指揮した張本人は…。
旧友ジャムツに誘われて嫌がおうにも地下に潜ることになり、
ついに流れ流れて反抗組織の”抗日聯軍”へ。
”なんのため”の戦いなのか疑問に思う中、大連特務機関長の安江仙弘大佐に拾われ、
満州国軍のモンゴル人部隊、”興安軍”に入り、
将校として軍官学校に配属されることに…。
そこで出会ったのは、父親よりも父親らしかった
ブリヤートモンゴルの指導者のひとり、ウルジン将軍。
幼少時に”巨きな父さん”と呼んでいたウルジン将軍と対面して、
ウンボルトはさらにはっきりといろいろなことを思い出してゆく…。
ウンボルトも”戦争”に巻き込まれてゆくが…。
長編まんがを3枚に凝縮するのは難しいですね。
この物語には、当時満州で活動してた様々な人物が登場します。
日本人が”知りたがらない”歴史の1ページ。
この”まんが”がきっかけになるんならそれでいい。
ホントに本気で”読んで欲しい”作品のひとつです。