吉本新喜劇

小さい頃、家のテレビはまだ白黒だった。家具調の立派な観音開きの扉があって、両サイドにスピーカーがついてるような豪華なテレビも田舎にあった。物心ついたときは『カラー』に変わっていたけど、多分最後のチャンネルを『まわす』世代だ。ご飯を食べながらテレビをみていると、「こらっ!しっかり食べなさい!」なんて叱られながらもテレビをみていたテレビっ子世代でした。『電線音頭』もみていたし『しらけ鳥』も飛んでいた。が、やっぱり一番楽しかったのはドリフの『8時だよ!全員集合』だった。実際に渋谷公会堂に何回か連れて行ってもらったこともあった。『金田一シリーズ』のときに便器から手が出てくるのが怖くって、夜ひとりでトイレ行くのが怖かったりもした。それでも途中から『オレレたちひょうきん族』をみるようになってしまいました。ドリフはたまに『チンチン』とか『うんこ』とか子供は喜びそうなんだけど汚い言葉が出てくるから食事時になんて下品な!なんて親がよく言ってた。それよりは『ひょうきん族』のほうがいいと。今思えばそんなに大差ないと思うけど。大きくなってから西には『吉本新喜劇』があることを知って驚愕しました。オレたちが『ドリフ』をみて育つのを、西の人たちは『吉本』をみて育つ。いつも『お約束』があって、必ずハッピーエンドで、しかも『オチ』があって終わる。『水戸黄門』や『男はつらいよ』みたいに連続活劇ってやつだ。これをみて育つ子に悪いやつはいないんじゃないかと勝手に思ってる。大阪の魅力はまだまだ尽きない。